ロコモってなぁに!
2016年5月23日
「ロコモティブシンドローム」(通称ロコモ)という言葉をよく聞くようになりました。
「運動器症候群」とも言い換えられています。
骨、関節、筋肉などの「運動器」が衰えた状態のことです。
高齢化の進む中、加齢に伴い衰えがちな運動器に対して、日本整形外科学会はロコモを「新しい国民病」ととらえ、啓発に力を入れています。
「運動器の障害」と考えて下さい。膝が痛い・腰が痛いなども含めて、身体が「動きにくくなる」ということですね。
その先にあるのは要介護、悪くすれば寝たきり、といった「生活の危機」です。
自分のそれまでの生活(の質)が維持できなくなってしまうのです。
さきほど「運動器の障害」と言いましたが、「運動器」の三本柱は骨、関節、筋肉です。
骨、関節、筋肉というのは代謝する、要するに入れ替わる器官です。古いものは壊され、新しいものが作られ代謝を繰り返しています。
ところが、年をとること=加齢性変化で、壊れるほうは進む一方、新しく作る力はどうしても弱くなります。
もともと動くための器官である運動器の場合、運動という刺激が少なくなると、壊れる方が優位になってしまいます。
体を動かさないと筋肉が減ってくるというのは皆さんご存知でしょうが、じつは骨も動かさない事で骨粗鬆症になります。
やはりきちんと運動をして、筋肉軟骨に適度な負荷をかけないといけないのですね。
今までの考え方としては、「年をとったら無理をせず楽に」と思われてきました。
それでは ますますロコモティブシンドロームを引き起こしてしまっているのではないかと思います。
よくお年寄りに対し「危ないから外に出ないで」とか「買い物なんてしなくていいよ」などと言う優しい言葉は、控えた方が良いのかもしれませんね。
ひとつでも当てはまった方は、ロコモの疑いがあります。
- 家の階段でつまずいたり、すべったりする
- 階段を上がるのに手すりが必要である
- 15分くらい続けて歩くことができない
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
- 片足立ちで靴下がはけなくなった
- 2㎏程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1リットルの牛乳パック2個程度)
- 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)